喫煙は、がん(肺がん・喉頭がんなど)、脳卒中(脳梗塞・脳出血など)、心臓病(心筋梗塞など)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの様々な病気のリスクを高めます。しかし、タバコに含まれるニコチンには強い依存性があるため、禁煙しようとして失敗した経験をされた方も多いと思います。
禁煙する意思がある方は、保険診療で禁煙外来を受診することができます。当院で使用する禁煙補助薬は、禁煙成功率が約7割というデータがあり、自分の意思だけで禁煙が困難な方はぜひ一度ご相談下さい。
禁煙補助薬とは
禁煙補助薬は、当院では最も禁煙成功率が高いチャンピックス(成分名:バレニクリン)を処方します。チャンピックスは、喫煙による満足感を減らし、禁煙によるニコチンの離脱症状(イライラするなど)を和らげます。内服薬であり、開始から12週間(約3ヶ月)内服していただきます。
チャンピックスの飲み方
禁煙開始の7日前から内服を開始します。以下の表のスケジュールで内服し、12週間で内服終了です。最大24週まで内服を継続できますが、12週以降は自由診療となります。
| 1〜3日目 | 4〜7日目 | 8日目〜 |
| 0.5mg錠 1日1回食後 朝・昼・夕 いつでも可 | 0.5mg錠 1日2回 朝夕食後 | 1mg錠 1日2回 朝夕食後 |
禁煙外来のスケジュール
計5回受診していただきます。2回目・3回目は前回受診の2週間後、4回目・5回目は前回受診の4週後に受診していただきます。毎回、呼気一酸化炭素濃度の測定が必要ですので、必ずスケジュール通りにご来院をお願いします。
禁煙外来の費用
3割負担の方であれば、計5回の診察代と薬代をあわせて約20,000円程度になり、禁煙外来の通院期間に一日一箱のタバコを買うより安くなります。また、希望される方は12週の治療が終了した後に、最大24週まで内服を継続できますが、12週以降の処方は自由診療になりますので金額にご注意下さい。
チャンピックスの注意点
チャンピックスを服用する際にいくつか注意点があります。
・抑うつ、不安などの精神症状が出ることがあります
・ニコチンを含む他の禁煙補助薬と併用できません
・服用中はめまい・眠気などの症状が現れることがあり、自動車の運転など危険を伴う機械を操作する際には注意が必要です
チャンピックスの副作用
吐き気・不眠・異常な夢・頭痛・便秘などが起こることがあります。また、めまい・眠気などが起こることもあり、これらの症状があった際には医師にご相談下さい。
禁煙治療薬を処方できない方
妊婦、授乳婦、重度の腎機能障害がある方、統合失調症などの精神疾患のある方、20歳未満の方は、当院では禁煙補助薬の処方を行っておりません。また、高齢者などでは、腎機能などの確認のため処方前に血液検査などを行う場合もありますがご了承下さい。
禁煙治療を行うのが2回目の場合
過去に禁煙外来で治療を行ったことがあり、また禁煙外来で治療を希望される場合は、前回の治療から1年以上経過していれば保険診療での治療が可能です。