「生活習慣病」とは、食事・運動・飲酒・喫煙などが発症・進行に関与する病気の総称で、代表的なものは高血圧・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)です。これらが進行すると動脈硬化が進んでしまい、脳卒中や心臓病などの血管の病気にかかる可能性が高まります

生活習慣病の怖いところは、初期は症状がないため、気づいたときには進行してしまっていることです。ですので、症状を自覚していなくても早期に適切に診断して治療を開始することが重要です。

代表的な生活習慣病

高血圧

高血圧は脳卒中の最大のリスク因子であり、適切に管理することが必要です。ご自宅で測る家庭血圧が高血圧とされるのは、収縮期血圧(上の血圧)135mmHg以上、拡張期血圧(下の血圧)85mmHg以上の場合です。

病院での血圧は普段の血圧を正しく反映していない場合があるため、慣れた環境で測る家庭血圧が重要になります。血圧測定は、以下の方法で行って下さい。

・起きてすぐ、寝る前の2回測定(朝の血圧が重要

・朝起きたらトイレを済ませ、朝食や服薬の前に測る

・座ってすぐではなく、1〜2分安静にしてから測定

・測定する部位(腕や手首)を心臓の高さにして測定

・上腕(二の腕)で測る血圧計が推奨だが、正しい姿勢で測定することが重要

年齢に関わらず、家庭血圧を125/75mmHg未満にコントロールすることが推奨されています。家庭血圧の記録を見て治療を行いますので、来院時には家庭血圧を測定して記録したものをお持ち下さい

糖尿病

血糖値が慢性的に高くなる病気です。糖尿病が進行すると、動脈硬化が進むのに加え、三大合併症と呼ばれる以下の合併症が起こります。

糖尿病性神経障害⋯糖尿病の三大合併症のうち、最も早く出現するのが末梢神経障害です。両手両足の先からしびれなどの症状が出現する、「手袋靴下型」の神経障害を認めます。

糖尿病網膜症⋯眼の網膜が障害され、出血を起こします。視力低下や網膜剥離、緑内障などにつながり、失明に至ることもあります

糖尿病性腎症⋯高血糖が続くことで腎臓の細い血管が障害され、腎臓の機能が低下します。最終的には透析が必要になる場合もあります

これらの病態に至る前に、早期に適切な治療を開始し、治療を継続することが重要です。

脂質異常症

脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪が異常な値になる病気で、動脈硬化の最大のリスク因子と言われています。それだけでは自覚症状は何もありませんが、脂質異常の状態を放置しておくと、血管の壁に、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が蓄積して血管の動脈硬化が進み、脳梗塞や心筋梗塞などの命に関わる重大な病気になるリスクが高くなります

自覚症状がないからといって放置せず、早期に適切な治療を開始し、治療を継続することが重要です。